NEW学校とのコミュニケーション手法について
学校訪問でキャリア支援担当者や就職担当教授に対してどんなコミュニケーションをすればよいか、ポイントをお伝えします。
日々学生と向き合っているキャリア支援担当者や就職担当教授は、企業のどのようなことを知りたいのか。学校訪問でどうコミュニケーションする必要があるのか、ポイントを紹介します。
Summary
❶学校の担当者が知りたいこと

就職・キャリア支援を行う職員や担当教授は、学生一人ひとりの進路指導を行い、それぞれの学生が最適な進路を選択するための支援を行っています。学校にとって学校全体の就職実績は自校の評価につながる重要な指標となるため、就職を希望するすべての学生が内定を取得できるよう最後までサポートすることが、担当者にとっての重要なミッションとなります。そのため、大手・有名企業の情報だけではなく、より多くの企業のさまざまな情報を知りたいと考えています。多角的な視点で多数の企業情報を集めることができれば、学生のさまざまな志向に合わせた企業の紹介が可能となるからです。企業と情報交換を行うにあたり、どのような情報を知りたいのか、一例をご紹介します。
■学校側は企業のどんな情報を知りたいのか
・どのような会社なのか
・どんな仕事・職種があるのか
・その会社の採用の考え方
・自校の学生を採用したい理由
・OB・OGの採用実績・在籍状況
・待遇や福利厚生などの働く環境
・説明会などのスケジュールや採用フロー
このように学校の担当者も学生と同様、企業の基本的な情報、仕事の内容、働く環境、採用に関する情報を知り、企業の強みや特徴を把握したいと考えています。口頭での説明だけでなく、パンフレットや資料などを持参し、説明した内容が担当者の手元に残るように留意してください。
❷学校訪問で成果を出すためのポイント

次に学校訪問で成果を出すためのポイントを解説します。限られた時間の中で、最大限の成果を出すために以下のポイントに意識して準備を行っていきましょう。
■学校訪問のゴールを明確に設定する
まずは、自社が学校訪問を通じて何をゴールとするのか、事前に目標を設定しておきましょう。
例えば、「担当者から〇〇学部の学生の就職希望業界の状況をヒアリングする」「●●専攻の学生にアプローチを行うために、該当する学部の就職担当教授を紹介してもらう」「継続して就職活動を行っている4年生に自社を紹介してもらう」など、その訪問における具体的な成果を明確にしておけば、限られたアポイントの時間を効率的に進めることができます。またゴールが明確であるほど、用意する資料やアピールする自社のポイントも整理しやすくなります。
■学校の担当者が知りたいことにしっかり答える
一方的に自社のアピールをしても、学校の担当者にとっては有用な情報にはなりづらいと言えます。前段落で紹介した学校の担当者が知りたいことに基づいて、アピールすべき情報を整理しましょう。
・どのような会社なのか
⇒事業内容/規模/業界でのポジション/強みや将来性
・どんな仕事・職種があるのか
⇒文系・理系ごとでの職種や仕事の具体的な内容、在宅勤務の有無など働き方の紹介
・その会社の採用の考え方
⇒事業内容やビジョンに基づいた採用コンセプト、求める人物像、人に対する考え方など
・自校の学生を採用したい理由
⇒学びや専攻との親和性、エリアとの親和性、過去の実績などから
・OB・OGの採用実績・在籍状況
⇒直近の実績、入社後どんな部署でどんな活躍をしているのか
・待遇や福利厚生などの働く環境
⇒特筆すべき制度の紹介、労働環境のデータ
・説明会などのスケジュールや採用フロー
⇒その学校向けの説明会や選考の優遇策など
■数ではなく、重点を置いて訪問する
学校訪問は、幅広く自社をアピールする広報戦略ではなく、採用したい特定のターゲット校に深くコミュニケーションをとってアプローチすることが効果的な戦略です。自社との相性が明確であればあるほど学校側にとっても重要な企業となり、関係性が構築され、継続的に学生に紹介され、採用が成功する可能性が高まります。
❸コミュニケーションのポイント
ここまで説明してきたように、学校訪問では、学校担当者が知りたいと考えていることに沿って自社のアピールをすることが重要なポイントとなります。最後に、学校訪問におけるコミュニケーションをより円滑にするポイントを紹介します。
■訪問する採用担当者はできるだけ変えない
学校の担当者とのコミュニケーションをスムーズにするために、学校訪問する採用担当者は同じ人が好ましいです。同じ採用担当者が継続して訪問することで、学校側の担当者や教授に安心感を与えることができ、信頼関係を築きやすくなります。これによって、より質の高い情報の獲得や円滑なコミュニケーションにもつながります。
また、同じ採用担当者が訪問することで、自社内においてもその学校の学生の特徴やカルチャー、どのような就職先を求めているかなどの情報を蓄積することもできます。学校のことを深く理解することで、その学校に合った情報提供やインターンシップなどを用意することが可能となります。
■あくまで学生の本分は学業であること
学校の担当者や就職担当教授にとって、学校全体の就職率や就職実績は重要な指標ではありますが、一方で学生の本分はあくまで学業であるという考えを持っています。企業の立場からすると、早くから学生と接点を持ちたいと関係性の構築を焦ってしまいがちですが、学業優先の中で採用活動を行うスタンスが求められることにも留意して、コミュニケーションをとるようにしてください。また、就職市場や採用環境に対する全体的な所感や、早期化する採用スケジュールの動向にも常に気を留めていますので、そうした点にも配慮が必要です。
■学生とのコミュニケーションにも留意する
学校訪問においては、学校の担当者との関係性に注意しがちですが、学生への対応やコミュニケーションもとても重要です。学校訪問を通じて紹介された学生は、企業とのコミュニケーションの印象や結果を、学校の担当者や教授に報告をしているケースが多いです。
問い合わせや連絡に対するレスポンスが遅い、回答や応対の印象が悪い、選考結果の連絡がなかなかこないなどの印象を学生に与えてしまうと、就職課やキャリアセンターに相談が行き、せっかく構築した関係性も無駄になってしまうことがあります。学校訪問に限ったことではありませんが、学生とは丁寧なコミュニケーションを心がける必要があります。
今回は、学校訪問におけるコミュニケーションポイントなどについて紹介しました。
キャリタスUC Tips
アポイント前に、学事スケジュールで学校と学生のイベントを確認して、配慮あるコミュニケーションを実現
入試・卒業・入学などは、学校の繁忙期にあたります。職員全員で対応している可能性もあります。希望日程を提示する際は避けるのが無難です。
また、学校独自のスケジュールを把握しておくことで、ターゲット校への理解が深まり担当者とのコミュニケーションも円滑になります。
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