Vol.12企業研究、業界研究セミナーについて
低学年層への訴求の重要度が高まる中、インターンシップ以外にどのような選択肢があるのかポイントをお伝えします。

公開日:2024.8.9

採用活動が激化する中、低学年学生に向けたPR活動が重要度を増しています。業界研究セミナー・企業研究セミナーなど、具体的に実施されているイベント事例や開催のポイント、また採用活動に効果的につなげていくために重要な点を解説します。

Summary

業界研究、企業研究など低学年向けイベントとは

採用活動が早期化・長期化し企業にとって採用活動が難航する中、注目されているのが低学年向けへのアプローチです。低学年とは1・2年生から3年生の主に早期を指し、就職活動に入る前の学生に向けて、職業観涵養を目的にしたイベントなどを開催するものです。
一般的には大学3年生の夏以降に実施されるインターンシップ、大学3年生3月の採用広報開始以降に実施する会社説明会等で学生への訴求を行う企業が大半ですが、学生の企業選びが前倒しになる中、従来のスケジュールではエントリー獲得が難しくなっている企業が、少しでも早いタイミングで業界や自社への興味を獲得するために実施をしています。
もちろん将来のキャリアを考えるきっかけを提供するためのイベント開催が採用活動のルールですので、社会人として働くイメージを持ってもらう、業界への興味関心を持ってもらう、企業への興味関心を持ってもらうことが実施条件となります。つまり、自社の採用情報を説明するなど採用広報目的でのイベントは、安易な早期化を促進する恐れがあるため実施することができませんので、注意が必要です。

低学年向けイベントの事例について

低学年向けに行われるイベントにはどのようなものがあるでしょうか。ここではいくつかの事例を紹介いたします。

■業界研究セミナー

まだ社会に出ることを深く考えていない低学年の学生向けに、自社が含まれる業界を取り上げ、業界全体のマーケット規模、ビジネスモデル、業界の歴史、業界の今後の展望やトピックス、主要な企業などについて解説を行うセミナーです。就業体験や個別企業の説明、採用情報の説明はなく、1~2時間程度で実施されています。学生にとっては、業界の全体像を俯瞰して学べることがメリットであるため、客観的な視点で解説を行うことがポイントです。

■企業研究セミナー

業界研究よりも一歩深い情報として自社の企業研究に活用できる情報を提供するセミナーです。企業の成り立ちや経営理念・パーパス、事業フィールド、強み・弱み、未来に向けた経営戦略等について解説を行います。募集職種や採用情報についての説明は行わず、企業の解説に留めるのが低学年向けに実施するためのポイントとなります。学生にとっては、早期の段階から特定企業の情報を得て研究できることがメリットで、企業にとっても自社の認知を早期に獲得できるメリットがあります。

■キャリアデザインセミナー

業界や企業研究ではなく、そもそも「社会に出るとは?」「自己分析」「向いている業界」など、社会に出て職業に就くために必要な職業観涵養につながる情報を提供するセミナーです。1~2時間のものから半日程度をかけて自己分析や他己分析など、ワーク形式を取り入れて実施されるケースまで、多様なイベントが実施されています。キャリアデザインを考えるにあたって何から始めればよいか分からないと悩む学生にとって、実際に働く社会人の視点からきっかけを得られるのがメリットです。企業としては学生と密なコミュニケーションを取ることで今後につながる関係性を構築できるメリットがあります。

これらのイベントについては、いずれもキャリア形成プログラム【タイプ①】オープン・カンパニーとして位置付けられます。

低学年向けのイベントを採用に繋げるために

前出のような低学年学生向けの職業観涵養のためのイベントを実施するにあたって重要な点は、学生と長期的な視点での関係性構築を目指すことです。就職活動を本格的に意識していない低学年の学生にとって、実際に働く社会人の先輩から業界や企業のこと、働くリアルな姿などのさまざまな情報や体験を得られることは、非常に貴重な体験です。キャリア観を醸成するために有効であることはもちろん、その機会を提供してくれた企業には好印象を持ちますし、早期のエンゲージメント構築につながっていくことは間違いありません。
一方、採用につながる情報提供や参加者の個人情報は採用活動で利用できませんので、短期的な採用成功につながる施策ではありません。低学年時に構築したエンゲージメントを採用広報期まで継続させる育成の視点とフォロー施策を同時に設計することが求められます。イベント参加者へのインターンシップへの優先案内や、個別のキャリア相談会実施など、興味関心を継続させるためのフォローアップ施策も併せて実施を検討しましょう。

今回は企業研究、業界研究セミナーについて解説しました。次回は、理系学生採用における学校推薦について解説します。

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