Vol.11会社説明会実施にあたってのポイント
会社説明会の目的とは?時期やテーマに適した内容、実施後の施策などについてお伝えします。
公開日:2024.7.26
新卒採用活動の中で、学生と接触する重要な機会として位置づけられる会社説明会。一口に会社説明会といっても目的によって多様な開催形態があります。今回は、会社説明会実施の目的から実施形態、また説明会の効果をより高めるために重要なポイントについて解説します。
Summary
❶会社説明会の目的とは?
新卒採用活動フローの中で、会社説明会はオンライン・オフラインにて学生と直接接触する機会となります。企業が会社説明会を実施する目的は、「自社の事業や特徴」や「自社の採用情報」を学生に伝え、学生に「この会社は面白そう」「将来この会社で働きたい」と感じさせることです。一方学生にとっては、インターネット等で調べた情報以上の情報を得られることを期待して参加し、実際に応募するかどうかを検討するための機会でもあります。
会社説明会開催の目的は大きく以下の2つに大別されます。
■母集団形成
会社説明会のメリットは、一度に多くの学生と接点を持ち、自社の魅力をPRできる点です。合同企業説明会のように自社のことを知らない学生と接点が持てる場であれば、幅広い層にアプローチが可能なため、母集団形成に効果的です。
また、個別企業説明会においても、いきなり応募するのはハードルが高い学生にとって説明会は参加しやすいため、母集団の拡大に有効な施策です。
■自社理解促進と応募動機形成
会社説明会開催のもう一つの目的は、参加学生に自社の理解を促進し、興味関心を深めた上で、エントリーシート提出や選考参加につなげることです。多くの企業の情報に触れる学生にとって、その会社で働くことをリアルにイメージするのは難しいものです。直接学生と接触できる個別企業説明会では、先輩社員との交流やより深い情報提供を通じて、自社への共感を高めることが可能です。
会社説明会の開催にあたっては、自社の採用フロー上における会社説明会の位置づけを整理し、その目的に合った内容で開催することが重要です。
学生が会社説明会の場に何を求めて参加しているのかを意識するようにしましょう。自社の目的だけを考えた一方的な説明会を実施してしまうと、学生の共感を得られないばかりか、悪い印象を与え、採用にとって逆効果になる可能性もあるからです。
❷会社説明会の主な実施形態について
会社説明会にはまず、就職情報会社や大学が主催する合同企業説明会と、企業が単独で開催する個別企業説明会があります。
■合同企業説明会
就職情報会社や大学、ハローワークなどが主催する複数の企業を一度に集めて開催される説明会です。数社規模のものから数百社規模のもの、業界別、文理、地域ごと等、さまざまなセグメントで開催されるものまで、多様なイベントが開催されています。
多くの参加学生に向け、自社の認知を獲得し自社PRをすることができる一方、多数の参加企業の中に埋もれ、自社のブースに学生を集めることができず、想定した効果を得られないケースもあります。
■個別企業説明会
企業が単独で開催する説明会です。1~2時間程度で自社の説明や採用情報を行います。先輩社員と直接コミュニケーションを取る時間を設けたり、ワーク形式のコンテンツを盛り込んだりして、学生の参加満足度を高めようとする企業が増えています。
自社に興味を持った学生に向けて、しっかりと時間をかけて自社の魅力を訴求できることが大きなメリットです。しかし、知名度が低い企業の場合、そもそも参加者を集めることが難しいのに加え、参加学生の期待に応えられるコンテンツを用意できないと逆に悪印象を与えてしまうリスクもあります。
また、新型コロナ禍以降、オンラインで会社説明会を実施する企業が増えました。開催時期や内容によってオンラインとオフラインを使い分けることが重要です。
オンライン説明会の最も大きなメリットは、訪問の障壁がなくなり地域にかかわらず広く学生を集められることです。外部会場の費用や、運営のための人件費や装飾物などの準備コストもオフライン形式に比べ、大幅に抑えられます。
ただし、直接対面して説明を行うオフライン形式と比べると、参加学生との密なコミュニケーションが取りにくく、自社説明に対する反応を見極められないデメリットもあります。そのため、チャット機能を使って参加学生から随時質問を受け付けるなど、学生の意欲向上につながる策を取り入れる必要があります。
❸会社説明会の効果を高めるために
会社説明会で学生に与える印象は、企業イメージに影響するばかりでなく、実際に応募をするかどうかの判断に多大な影響を与えることになります。そのため、会社説明会の開催にあたっては十分な準備が求められるのです。
【ポイント①】学生に何を伝えるのか、内容を整理する
会社説明会では、企業が伝えたいことを一方的に伝えるのではなく、学生が知りたいことに合わせて説明会の内容を練ることが重要です。
例えば多くの学生が知りたいのは、「会社の社風や社内の雰囲気」「具体的な仕事内容」「リアルなやりがい」「入社後のキャリアや待遇」などです。しかし、企業側は「会社概要」「事業内容」「職種や業務の内容」を淡々と解説することに終始してしまいがちです。こうなると、企業側と学生側で情報のギャップが生まれ、学生の満足度は高められません。伝えたいテーマを絞り込み説明内容を精査したり、よりリアルな印象が伝わるよう先輩社員を活用したり、業界全体の解説やその中での自社の立ち位置を説明するなど、より学生の知りたいことに応えられる工夫が必要です。
【ポイント②】コミュニケーションしやすい仕掛けを用意する
学生には事前に知りたいと考えていた情報を十分得られるように、コミュニケーションが取りやすい仕掛けをあらかじめ設定しておくことが重要です。
説明会の最中に気軽に質問ができる進行を心がけることや、あらかじめ知りたいことを受け付けておき当日はその内容に沿って回答していくなど、企業側から積極的に学生とのコミュニケーションを受け入れていく姿勢が求められます。オンライン説明会であればチャット機能を用いたり、当日の説明スライドを事前に公開して、質問を準備してもらうと比較的円滑に説明会を進めることができます。
【ポイント③】当日のプレゼンテーションと開催後のフォロー
会社説明会当日のプレゼンテーションも一方的にならないよう、注意が必要です。
具体的な事業や業務の説明においては、学生でも理解できる言葉で説明することが重要です。就職活動や企業研究の進み具合が違うさまざまな学生が参加していることを念頭に、誰にでも分かりやすい言葉で説明することを心がけましょう。利用するパワーポイントなどの資料も遠くからでも見やすく分かりやすいドキュメント作成が求められます。
また、学生対応も極めて重要なポイントです。企業説明会は学生からするとその企業を見極める場でもあります。受付での対応やプレゼンテーションする社員の態度、質問対応を行う社員の態度など、学生と対等な立場であることを意識し誠実に応対することを徹底しましょう。
さらには、会社説明会開催後の学生へのフォロー対策も忘れずに行いましょう。多くの説明会に参加する学生は、その場で理解が進んでも忙しい就職活動の中で、記憶や印象は次第に薄れてしまいます。当日の資料送付、回答しきれなかった質問への回答、次の選考ステップへの案内など、参加した学生を迷子にさせないフォローが効果的です。
今回は会社説明会の目的や種類、実施ポイントを解説しました。次回は、低学年層に向けたイベントについて説明いたします。
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