Vol.7インターンシップ等の参加者へのフォローアップについて
インターンシップ開催後に重要となるフォローアップ。応募意欲を高めるために何をすべきか事例を通じて紹介します。

公開日:2024.5.24

オープン・カンパニーやインターンシップは開催して終わりではありません。
多数のプログラムに参加する学生の中で、本選考への応募へつなげるためには、開催後の対応が極めて重要になります。貴社の印象を高め応募意欲を向上させるための効果的なフォローアップ施策をご紹介します。

Summary

キャリア形成プログラムで取得した学生情報の活用ルール

まず、オープン・カンパニーやインターンシップで取得した学生情報の取り扱い方法について改めて解説します。ルール変更によって定義された4タイプのプログラムによって取り扱いが可能な範囲・時期が異なりますので、自社のプログラムがどのタイプに該当するのかを確認の上、フォローアップ施策と併せて活用方法を確認してください。

■タイプ①オープン・カンパニー/タイプ②キャリア教育

就業体験を伴わなくても実施可能、個人情報の取得も可能です。
ただし、取得した個人情報は採用活動や採用関連の広報活動に利用することはできないため、上記用途での個人情報利用については、再度エントリーをしてもらう必要があります。

■タイプ③インターンシップ汎用的能力・専門活用型インターンシップ/タイプ④高度専門型インターンシップ

インターンシップで取得した個人情報および評価について、採用活動に利用できます
定義上、採用関連の広報活動に利用することは可能ですが、面接等の採用プロセスに参加してもらう場合は、再度エントリーをしてもらう必要があります。
また、タイプ③には情報開示要件として、以下の9項目を公表し、産学協議会基準に準拠しているインターンシップとして認定される必要があります。

9つの情報開示要件:

①プログラムの趣旨(目的)、②実施時期・期間、場所、募集人数、選抜方法、無給/有給等、③就業体験の内容(受入れ職場に関する情報を含む)、④就業体験を行う際に必要な(求められる)能力、⑤インターンシップにおけるフィードバック、⑥採用活動開始以降に限り、インターンシップを通じて取得した学生情報を活用する旨、⑦当該年度のインターンシップ実施計画(時期・回数・規模等)、⑧インターンシップ実施に係る実績概要(過去2~3年程度)、⑨採用選考活動等の実績概要※企業による公表のみ

また、就業体験を伴わないオープン・カンパニーの開催が可能となったことにより、これまでリソースの問題等でインターンシップが開催できなかった企業が、プレ期間の認知獲得のために開催が大幅に増加する見込みです。その点からも、開催後のフォローアップが重要になることは間違いありません。

プログラム参加後のフォローがエントリー意向を向上させる

キャリア支援プログラムは、学生の本選考応募に対して、どのように影響しているのでしょうか。2025年卒のキャリタス就活のモニター調査※1によれば、2月1日時点で「1日以内のプログラム」に参加経験を持つ学生は9割超(90.9%)で、平均参加社数は11.5社。さらに、「参加した結果、就職したいと思う企業があった」と回答した学生も9割近く(88.1%)おり、プレ期間におけるプログラム参加は学生にとってもはや当たり前の状況と言えます。 しかし、就職したいと思った社数は3.6社で、参加企業11.5社の3割(31.3%)という結果となっており、プログラムの参加が就職意欲に直結するわけではないことが分かります。

また、参加後のフォローアップと就職エントリーの有無の相関関係を見てみると、参加後に企業から何らかの「アプローチがあった」のは全体の8割(80.6%)※2。「アプローチがあった」場合、その企業に「エントリーした」は6割超に上り(63.5%)、「特になかった」場合(35.9%)を大きく上回っています。プログラムそのものの満足度だけでなく、参加後のフォローやアプローチの有無が、エントリーに大きく影響を与えていることが分かるのではないでしょうか。こうした点からも、フォローアップ施策の検討・実施までがプログラム開催のポイントだといえます。
なお、参加後のアプローチは「早期選考の案内」が圧倒的に多く、半数を超えています(53.3%)。フォローアップの事例については、このあと紹介していきます。

  • ※1 出典:キャリタス「キャリタス就活 学生モニター2025調査結果」(2024年2月発行)
  • ※2 出典:キャリタス「キャリタス就活 学生モニター2025/インターンシップ等に関する特別調査レポート」(2024年4月発行)

プログラム参加後のフォローアップ事例について

では、キャリア形成プログラム参加後の学生にどのようなフォローアップを行うべきなのでしょうか。フォローアップ施策は、大きく下記の3カテゴリーに分けられます。

■選考に関する優遇 ■イベントなどのリアルコミュニケーション ■オンラインコミュニケーション

ここではそれぞれのカテゴリーで実施されている内容を紹介します。

■選考に関する優遇

前述の調査でも顕著なように多くの企業で導入されているのが、選考に関するインセンティブです。具体的には、キャリア形成プログラム参加者に対しての早期選考の案内や、一般学生の選考ルートとは別の選考ルートの用意などがあります。他にもプログラム中に印象の良かった学生に個別にリクルーターをつけ、本選考までフォローアップしていくケース、個別面談を実施するケースなど、プログラム終了から本選考まで小まめにつなぎ止めをするパターンもよく見られます。
プレ期のプログラムに参加する学生は、その企業の選考が有利に働くことを期待している面も大きいため、選考に関する優遇策は最も期待されるフォローアップ施策と言えるでしょう。

・早期選考の案内を行う
・担当リクルーターを個別に設定する
・個別面談を実施してフォローする

■イベントなどのリアルコミュニケーション

次に実施されるケースが多いのは、イベントなどリアルな場でのフォローアップ施策です。
夏のプログラムに参加した学生に対して、企業理解がより深まるプログラムやセミナーを秋・冬に用意し、理解度促進と興味関心向上を狙うものなどが代表的です。他にもプログラム参加者に対してオフィスや工場見学などを行い、社内のリアルな雰囲気を伝え、若手社員などとコミュニケーションさせる施策や、プログラムを通じて興味をもった点・疑問点などを社員と直接コミュニケーションさせる懇親会を実施する施策、OB・OG訪問を人事部から斡旋する施策などがあります。
いずれもプログラム参加者に対する限定策であることを伝え、学生にとって企業をより身近に感じることのできるリアルな場を設定してあげることが、応募意欲を高めるためのポイントです。

・懇親会、社員座談会
・参加者限定のインターンシップ/セミナー
・参加者限定の社内見学や工場見学
・OB・OG訪問の案内

■オンラインコミュニケーション

また、SNSやWEBなどを活用したオンラインコミュニケーション策も有効です。夏のプログラム終了後から本選考までの半年程度の間に、参加者だけが閲覧できるWEBコンテンツやメルマガを定期的に配信し理解度向上を図る策や、LINE・電話を活用して本選考までの学生の動向を確認したり疑問点解消を1対1で個別に行うケースなどがあります。LINEを活用すれば、登録者へのコンテンツの一斉配信と1対1のコミュニケーションを効率的に実施することができるのでおススメです。


・企業研究につながるWEBコンテンツ/メルマガ配信 ・LINEや電話等での定期的なコミュニケーション

このような施策がフォローアップの代表的な施策です。さらに、施策検討のポイントとして重要なことは、誰にでも一律の内容ではなく、プログラムに参加したからこそ得られるコンテンツや機会を提供し、「自分を求めてくれている」「自分を評価してくれている」と感じさせることです。また、一つの施策だけではなく、オンラインとリアルを組み合わせるなどで、継続して行うことが重要です。適切なフォローアップの実施が、貴社への応募意欲向上につながっていきます。

次回からは、求人票の活用方法をお伝えします。

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