Vol.2採用ターゲット設定について
採用したい人材をどう定義するか。
ターゲット設定についてお伝えします。

公開日:2024.3.1

売り手市場が続き、新卒採用に苦戦されている企業が多い中、就職サイトに掲載さえしていれば応募者が集まるケースは一部の大企業を除いては稀になっています。今後若者がさらに減少するマーケットにおいて、採用活動を成功させるためにまずやるべきこと。それは、自社が採用したい人材を具体的に定義するターゲット設定です。

Summary

なぜ採用ターゲットの設定が必要なのか

新卒採用は、将来の事業発展に向けた重要なプロジェクトです。コストと時間がかかるため、失敗すれば企業にとって大きな損失につながります。単に必要な人数を充足すれば成功というわけではなく、新卒採用の本当の成否は入社後にしっかりと活躍してくれるか、ミスマッチによる離職などが起きないかを中長期的に判断する必要があります。それだけに十分な事前準備が必要といえます。

それでは、なぜ採用ターゲットの設定が必要なのでしょうか。もし仮に採用ターゲットが定義されていないまま採用すると、さまざまなリスクが懸念されます。
例えば採用ターゲットが明確でない場合、選考を行う面接官の主観的な印象や好き嫌いなど、曖昧な基準で選考が行われ、自社にとって本当に必要な人材を見抜けないリスクがあります。また、どのような人材に応募してもらいたいかが不明確だと、自社の魅力をどのように打ち出すべきかも不明確となり、期待する層からの応募が集まらない可能性もあります。他にも、社風やカルチャーとミスマッチして早期離職につながるリスクや、採用活動の振り返りや総括の際に判断する材料がなく次年度に向けた改善が行われないなどのリスクもあります。
こうしたリスクを避け、自社の採用活動を成功させるためにも、採用ターゲットの設定・明確化が重要と言えます。

■採用ターゲットが定義されていないと起こり得るリスク

・どういった広報を行えばよいか分からない
・自社にとって必要な人材を見抜けない
・自社の社風に合わないなどのミスマッチ
・採用活動の振り返りの基準がない

採用ターゲットとは何か

採用ターゲットは「求める人物像」をより具現化したものと言えるかもしれません。「求める人物像」の多くは「コミュニケーション能力が高い人」「知的好奇心が旺盛な人」「素直な人」など抽象的なものであり、それらを選考基準として利用しているケースも多くみられます。もちろん、これが間違いというわけではありませんが、学生に提示している「求める人物像」と、自社の採用時に評価している基準や、自社で活躍している人に共通している人物像に乖離がある場合は問題です。「求める人物像」は本来、「自社の理念やビジョンに共感し、その実現に向かって活躍する人物になってもらうために必要な資質を持つ」人物を具体化するべきで、採用担当だけでなく選考に携わる社員が共通認識を持てる人物像を設定する必要があります。人物像の解像度を上げることで、採用ターゲットは見えてきます。

採用ターゲット設定の方法

では「求める人物像」をどのように設定すべきでしょうか。5つのステップで解説します。

STEP1 基本的な要件を経営層とすり合わせる

採用計画は経営方針や事業戦略と連動しています。経営層とコミュニケーションをとり、新卒採用の目的や方向性、例えば今後の事業展開に向けて、どのような人を、何人採用するのか、などをすり合わせ「求める人物像」のベースにずれがないようにしましょう。


STEP2 求める人物像設定のために必要な要素を洗い出す

「求める人物像」をより具体的にするためには、いくつかの方法がありますが、ここでは「自社の活躍人材をベースに要件を設定」する方法をご紹介します。
まずは採用予定部署において、活躍している人材や理想的なスキル・行動特性を持っている人材をピックアップしてください。その後、その人材が活躍できている要因や、顕在化している素養などをそれぞれひも解いていきます。表面的な経験・スキル・資格だけでなく、その人物がどのような判断基準や行動特性を持っているのか、それが仕事にどう影響しているのかを把握していくことが重要です。各部署での活躍人材の要件を整理し、共通点を洗い出していくことで、自社にとって必要な人物像が見えてくるはずです。


STEP3 必要な要件を持った人物像をペルソナに落とし込む

STEP2で見えてきた求める人物像をペルソナに落とし込みます。期待する要件を備えた人は、これまでどのような経験やキャリアを積んできたのか、好きなものや価値観は何かなど、実際に存在する人のように具体化することで、採用チームの中で共通認識が深まります。また、ペルソナに落とし込むことで、そうした価値観を持った人からは自社がどう見え、何に魅力を感じるのかを想像することもできるため、就職サイトや採用サイト等での広報においても活用できるようになります。


STEP4 求める人物像を採用するためのターゲティング戦略を立てる

求める人物像(採用ターゲット)が設定されたら、ターゲットと合致する人物とコミュニケーションするためのターゲティング戦略を練ります。
採用チャネルは何が適切か、そのチャネル上でペルソナの興味関心を高められる施策やコンテンツはどんなものか、具体的な選考時期やスケジュールなどを検討し、詳細な採用戦略を立てていきます。


STEP5 評価基準・採用基準を設定する

続いて実際の選考における評価基準・採用基準を設定します。求める人物像に沿った評価基準を明確にすることで、選考に携わる社員によってのズレを解消します。実際の採用においてすべてを満たす応募者と出会えることは稀ですので、採用において必須なMUST要件と、あれば望ましいWANT要件に分けて設定すると、判断しやすくなります。

次回は、具体的な採用スケジュールの設計方法について解説します。

キャリタスUC Tips

キャリタスUCで
学校/エリア/学部学科の
ターゲティングが実現!

欲しい学生の人物像を定めた後は、キャリタスUCで学校に向けた採用情報配信を行いましょう。
キャリタスUCでは、エリアや大学、学部学科をターゲティングした採用情報配信が行えます。

配属可能性があるエリアにある学校を具体的に指定して情報配信を行う、必要スキルに応じて学部学科を指定した求人を配信するなど、求める人物像が具体化したら、キャリタスUCを活用してターゲティング戦略を実行してみましょう。


キャリタスUCでは、求人票をはじめとする各種採用関連情報へのアクセスを増やしたい企業様に向けてのオプション機能『プレミアムパッケージ』を提供しています。
貴社の採用活動の最大化に、是非お役立てください。