Vol.1新卒採用の流れを知る
新卒採用を成功させるためには?
まずは新卒採用マーケットの流れを解説します!
公開日:2024.2.16
コロナ禍からの経済活動の回復が進む中、さまざまな業界で人手不足が大きな事業課題となっているのではないでしょうか。中でも、新卒採用マーケットにおいては学生優位のいわゆる“売り手市場”が長く続き、採用に苦戦されている企業が多いのが現状です。ここでは、新卒採用を成功させるために、まずマーケットの全体感を紹介します。
Summary
❶新卒採用マーケットとは?~アウトラインを理解する
新卒採用は新規学校卒業予定者、いわゆる就業経験がない学校卒業見込み者を採用することで、大学・大学院を卒業・修了予定の学生の採用を指すことが主流です。また、近年では厚生労働省の指針に沿って卒業後3年までを新卒扱いとすることとなっています。
新卒採用マーケットの特徴は、何といっても毎年約40~50万人の学生と約2万社※1の企業が一斉に活動を行う点にあります。また、当の学生・企業はもちろんのこと、学校や経済界・政府など多くのステークホルダーの影響を受けるのも特徴のひとつです。現在は政府による「就職・採用活動に関する要請」により、学生が学修時間等を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるよう下記の日程の遵守が要請されています。
■就職・採用活動に関する要請で示されている日程
- 広報活動開始
- 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
- 採用選考活動開始
- 卒業・修了年度の6月1日以降
- 正式な内定日
- 卒業・修了年度の10月1日以降
「広報活動開始」は、採用を目的とした業界・企業・求人情報の広報を開始し、興味関心を持ってくれた学生の個人情報の収集を開始する期間でもあります。一般的にキャリタス就活などの就職サイトにおいて、利用企業が当該年度向けのエントリー受付を開始するタイミングです。「採用選考活動開始」は、面接や試験などの学生を選考する活動の解禁を指しています。大手企業などでは選考活動開始日以前に面談などを通じて実質的な選考活動を進め、開始日に内々定を出すという形が一般的になっています。
こうしたスケジュールの変更は何度も行われてきたのですが、外資系企業やベンチャー企業など要請を遵守しない企業も増える中、基準やルール自体が形骸化している側面はあります。とはいえ、完全な自由採用になれば採用活動の早期化がさらに加速し、マーケットに混乱を招きかねません。今後も何らかの変化はあるとしても、急激なスケジュール変更の可能性は高くないでしょう。
また、現在の新卒採用マーケットの大きな特徴として、こうしたスケジュールの中、企業の動きが前のめり化し、学生の内定取得のタイミングが全般的に早期化していることは頭に入れておく必要があります。2024年卒学生の調査では「広報活動開始」の3月1日時点で3割強(32.4%)の学生が内定を手にしており、4月で過半数(52.9%)を超え、6月の「採用選考活動開始」では8割台(81.3%)に達しています※2。就活意識の高い学生は3月以前に内定を取得しているケースも増え、いわゆる上位校層の学生の大半は6月を待たずに就活を終了している状況で、採用活動の後半戦はナビサイトや合同説明会ではなく、学校の就職課や就活エージェントを活用した就活中の学生と直接コンタクトをとるところから始める必要があるのが現状です。
- ※1 キャリタス就活の会員数・利用企業数より
- ※2 出典:キャリタス「新卒採用マーケットの分析 2024年卒 就職・採用戦線総括」(2023年)
❷採用活動の中心となりつつあるインターンシップ
一方で、近年急速に導入が進んでいるのがプレ期間に実施されるインターンシップ、オープン・カンパニーです。より優秀な学生に早期から自社をアピールするために、就職活動年度以前の学生に就業体験を提供し、自社の仕事の魅力付けを行い、将来の応募につなげるものです。理系学生を中心とした数週間の本格的な就業体験を伴うものから1Dayなどの短期間で自社の業務のエッセンスを体感できるワークショップ型まで、多様なプログラムが準備され、各就職サイトのプレ期間サイトにて告知・募集が行われています。
これらのプログラムの特徴は、あくまで就業体験の提供やキャリア形成支援であるため、対象年度の制限を持てないことです。逆にいえば、より早期からの訴求が可能で、早い企業は1・2年生の低学年学生に向けた業界PRなどのプログラムを展開して、より早期からのプレ期間広報に注力しています。
また、経済産業省・文部科学省・厚生労働省による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方(通称:三省合意)」が改正され、条件に沿った就業体験を伴うインターンシップについては、取得した学生情報を採用活動に利用できるようになるルール変更が行われています。企業にとっては、インターンシップで接触した学生をそのまま選考につなげる「選考直結型」インターンシップが実現することとなり、3月1日の広報活動開始以前のいわゆるプレ期間とも呼ばれる早期からの出合い・マッチングがすすむきっかけになっていくのではないでしょうか。
■プレ期から内定までの採用活動の流れ
❸マーケット・競合企業の全体感をまずはつかむことが重要
ここまで紹介してきた通り、新卒採用マーケットはプレ期間と採用広報・選考期間の大きく2つに分かれ、実質的な採用活動が展開されています。競争が激化する新卒採用マーケットにおいて、自社の採用戦略を立案するためにマーケットの全体感を掴んでおくことは何より大切です。
また企業規模や採用人数、ターゲットによっても動き方は異なります。
例えば内資大企業の場合は、基本的にはスケジュールの要請に沿って活動を行いますが、数百名規模の採用になる場合は、インターンシップを通じたプレ期間広報からはじまり、各種メディアなどを通じた採用広報、数クールに分けての選考活動を行うなど、長期間にわたる大規模な採用活動が展開されます。
採用人数が十数名程度の中小企業の場合、予算や人的リソースが限られることが多いため、差別化戦略が必要です。同業大手企業のスケジュールとの重複を避けることで、競合する企業を減らしたり、選考フローを簡素化して学生をスピーディーに確保したり、よりコンタクトを増やしてコミュニケーションを密にとるなど、フレキシブルな動きで対応していくことが求められます。
ベンチャーやスタートアップ企業であれば、インターンシップ直結型を通じて自社のスピード感や働く社員や空気感の魅力などを全面に押し出すなどの活動が多い印象です。
このように大手企業や同業他社の大まかな動きを掴んだうえで、自社の活動方針を具体化させていきましょう。
次回からはより具体的な採用活動について解説をしていきます。
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